dispcalGUIは豊富な設定項目を持っています。その中でユーザーが積極的に意識するものは白色点、白輝度、黒輝度、ガンマの4つとなります。

白色点(Whitepoint)
 白色点は全ての基準となる白の発色を決定します。よく使われる光源に5000Kと6500Kがありますが、5000Kはもっぱら印刷物とのマッチング向きなのでモニタ単体の調整には6500Kを使います。
 理論上は自然光である太陽光に合わせるべきであり、5500K程度が理想的に思えますが、照明の世界ではCIE(国際照明委員会)が定めたD65(6504K)が標準光源と定められているので通常は6500Kに設定します。事実、PC向けのコンテンツは基本的には6500Kで作られています。また、屋外ならともかく、屋内で使われる照明はそのほとんどが6000K以上なので室内利用の多いPCには6500Kが向いています。
 ちなみに、5000KはISO(国際標準化機構)が定めたものです。印刷物をモニタ上で再現する国際規格の中では白色点が5000Kと決められています。ただし、印刷物とのマッチングには厳密なカラーマネジメントが要求され、少なくともAAA管を使って環境光を整えた状態にする必要があります。一般的な環境でとりあえずディスプレイだけ5000Kに設定しても大した効果は望めません。

白輝度(White level)
 白輝度という単語は聞き慣れないかもしれませんが、単なる輝度や俗にいう明るさと同義です。通常~カンデラ(cd)と表現しますが、厳密にはカンデラ毎平方メートル(cd/m^2)を単位に使います。
 具体的にどれぐらいの輝度に設定するかは環境によります。室内の場合、筆者の経験上120cdが最も見やすいです。適正輝度が分からないうちはとりあえず120cdでしばらく使ってみて、眩しかったら10cd下げる、見づらかったら10cd上げて調整するのがいいかと思います。ただし、ISOでは適正が最低80cd、最大160cdと定められているのでこの範囲内に収めるのが無難でしょう。また、光沢液晶は映り込みが発生するので非光沢に比べて適正輝度が高くなりがちです。
 屋外の場合は、環境光が非常に強いのでとても細かい数値を気にしていられません。とりあえず見やすい明るさまで上げましょう。もっとも、屋外で使うときは正しい色以前に文字が読めるかどうかが問題になるので発色は二の次です。
 ところで、とりあえず適正輝度を120cdとしてみると、市販のモニタがいかに明るいかよくわかるかと思います。筆者の手持ちを例にとると、CCFLバックライトのU2711は標準輝度350cd、LEDバックライトのU2212HMは標準輝度250cdです。最大値ではないので全開にするともっと明るいのでしょう。これを120cdに調整すると、U2711は輝度出荷時50→26、U2212HMは輝度出荷時75→58とそれぞれ下げて使っています。もちろん、輝度だけでなくRGBゲインもいじっているので単純比較はできませんが、少なくともかなり輝度を下げて使っていることは確かです。

黒輝度(Black level)
 黒輝度はもしかすると白輝度以上になじみが薄い単語かもしれません。というのも、通常はスペックシートに載らないからです。黒輝度はその名の通り黒い画面を表示したときの輝度です。白輝度が最大光量であるのに対し、黒輝度は最少光量を表しています。
 白輝度には適正値がありますが、黒輝度は基本的に低ければ低いほど良いです。なのでキャリブレーション時は特に指定せずネイティブをとらせるのが一般的です。本来黒色というのは光っていない状態なので黒輝度が低いほど本物の黒に近くなるわけです。
 ところで、黒輝度を気にするのは液晶ならではとも言えます。液晶はパネルの裏からバックライトを当てて動作しますが、黒というのはバックライトの光を全て遮る、いわば液晶が一番苦手とする状態です。高品質なパネルであってもバックライトの光を全く通さないというのは不可能であり、製品ごとに固有の黒輝度を持ちます。これが例えばプラズマディスプレイの場合、放電によって発光する仕組みなので発光しなければ黒になります。この時の黒輝度はゼロに限りなく近いので黒輝度が話題になることはありません。
 ちなみに、大雑把にであればスペックシートから黒輝度を求めることができます。大抵コントラスト比は公開されているからです。"コントラスト比 = 白輝度 / 黒輝度"なので例えば標準輝度350cd/m^2、標準コントラスト比1000:1であれば標準状態での黒輝度は0.35cd/m^2だとわかります。

ガンマ(Tone curve)
 正しくはトーンカーブと表現するべきでしょうが、一般的にガンマを使います。原理的な話は少し面倒なので省きますが、これはガンマ2.2に設定します。今のPCはガンマ2.2を基準にしているからです。以前はWindowsが2.2、Macが1.8という時代もありましたが、OS X以降はMacも2.2を採用するので迷わず2.2に設定して下さい。
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