最近色空間を扱う機会が頻繁にあったので一通り調べてみました。今まであやふやな知識が多かったので改めて見直すと面白いことばかりですね。ただ、調べれば調べるほど深まる謎も多く、案外適当な世界かもしれないと思う今日この頃です。実用性はともかく、ある種のトリビアとして楽しんでいただければ幸いです。
 なお、筆者は印刷業界などに全く縁がない一般人ですので、必ずしも内容が正しいとは限らないことを断っておきます。ある程度調べたつもりではあるのですが、何分ネットがソースだったりすると正確性に欠けることが多いのでご了承ください。

 そもそも我々が日常的に使っているICCプロファイルはご存じICC(International Color Consortium)が制定したものですが、ICCの設立は1993年と結構新しかったりします。もちろん、それ以前からテレビ放送なので色の基準は存在していました。初回は懐かしのNTSCとSMPTEについて紹介したいと思います。

 そもそも、NTSCとは全米テレビジョン放送方式標準化委員会、SMPTEとは米国映画テレビ技術者協会のことらしいです。とりあえずテレビ放送に関係したものだということがわかります。どちらも放送の方式全体に関しての制定とその規格なのですが、ここでは色空間についてのみ着目します。
 NTSCの制定は1953年、SMPTEはよくわかりませんがカラーテレビ放送前には制定されていたのでしょう。どちらも馴染みの薄い色空間かと思います。NTSCはなんとなくAdobeRGBに近い色空間と捉えている方が大多数だと思います。SMPTEに関してはアメリカでのテレビ放送の話なのでほぼ縁がありません。
 今回参照したプロファイルはAdobe社制作のもの。NTSC(1953)とSMPTE-Cです。ガンマは両方とも2.2となっています。面白いのはSMPTEは一般的な白色点6600Kなのに対し、NTSCは珍しい6700Kとなっています。光源に対しての解釈は昔から悩ましかったようです。

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NTSC(1953)(6700K) / SMPTE-C(6600K)
 一目瞭然かと思いますが、圧倒的にNTSCの方が広いです。白色点の違いなど誤差にしか感じられません。当然のことながら、とてもブラウン管が表現できる色ではなかったので基本的に放送で使われたのはSMPTEの方です。正確には、ブラウン管の色再現性に合わせてSMPTEが制定されたと言うべきでしょうか。

 さて、テレビ放送は当然のことながら世界中で行われています。SD放送と言えばNTSCの他にPALとSECAMという二つの方式が使われています。色空間としては実はPALとSECAMでは同じものが使われているのでNTSC(SMPTE)だけ仲間外れに。

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SMPTE-C(6600K) / PAL&SECAM(6600K)
 わずかながら、PAL&SECAMの方が広いことがわかります。ガンマはどちらも2.2。アナログの時代なのでどうやら放送方式の違いが色の違いを生んでいたようです。

 ということでSD放送信号シリーズでした。SMPTE等実際に放送に使われたものはブラウン管という明確な根拠があるのでわかりやすいのですが、やたら広いNTSCがどうやって決められたのかは不思議で仕方ありません。ご存知の方がいたらぜひ教えてください。
Tags: カラープロファイル
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