レビューの第一弾として、まずはディスプレイ品質をチェックしたいと思います。カタログスペック的なものをおさらいすると、本機のディスプレイは8.0インチ、1280x800の解像度を持ちます。画素密度は189dpiとまずまず。視野角の広いIPS方式なので一般的なタブレットの使用距離であれば不満はありません。ただし、スマートフォンでは主流の300dpi近いディスプレイに慣れていると文字が荒く感じられることでしょう。
 また、カタログに明記されてはいないのですが、目視で確認した限りではガラス面と液晶面との間に空気層はありません。これは本来空気が入り込む部分を透明樹脂で埋めることで画質を向上させる加工がなされているということで、Sonyでいうオプティコントラスト、一般的にはダイレクトボンディングと呼ばれる工法になります。一部Sony製デバイスやSurface、現行Nexus7などにも施されています。あえて付け加えるとiPadでは何故か採用されていないので、コントラストで不利だったりします。
 高精細ディスプレイの採用については予てより人によって意見の分かれるポイントで、確かにクッキリとした文字は魅力的なものの、トレードオフとして消費電力の増加は無視できないものがあります。Windowsの場合はさらにデスクトップアプリの互換性という問題が絡んで更にややこしいところですが、本機は無難なところに落としてきたという印象があります。群雄割拠のAndroid端末とは違い、市場を見渡してみてもサブ10インチWindowsタブレットは数えるほどしかない現状ではコンパクトに纏めた方が有利という判断は自然だと言えるでしょう。
 そもそも、本機を含めた8インチWindowsタブレットはiOS/Androidとは異なるセグメントの製品であり、もっと言えばWindowsであることに最大の価値があるので、精細度の大小はそこまで大きな問題ではないのかもしれません。

 それでは肝心の測定データです。例のごとく測色計にはSpyder4を用いています。

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 色域からみると、この手のデバイスとしては優秀なsRGBカバー率81%。おそらく大多数のラップトップよりも優れています。最近のIPSパネルらしく青が控えめで暖色に強い傾向です。

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 こちらは補正カーブ。青が強いので下げていることが見て取れます。一番色域が狭い青方向を下げるのは不思議に感じられるかもしれませんが、これはよくあることだったりします。最近主流の白色LEDバックライトは、輝度としての青成分は強いという特徴を持つ一方で、色域としての"青さ"は優秀とは言えないものが多く、そのために青い光は出るけど深みが足りないディスプレイになってしまうわけです。
 明るさは調整後で最低が22[cd/m^2]、最高で360[cd/m^2]まで到達します。屋内利用には十分すぎる明るさです。ただし、数字でいえば現行Nexus7やiPad Airは500cdまで出せるので、屋外での視認性では彼らに劣ります。

 なお、ディスプレイ品質とは直接関係ないのですが、本機にはディスプレイ周りのバグがあることにも触れておかなくてはなりません。ひとつは、明るさの自動調整機能オンにすると手動では調整ができなくなります。Androidであればこれは仕様であり問題はないのですが、Windowsでは自動調整時でも手動で明るさの微調整が効くようになっています。しかし、本機では手動による微調整が一切効かない上に、自動調整では非常に画面が暗くとても実用に耐えません。結果として、自動調整を切って常に手動で管理するより外手がないのです。
 もっとも、明るさ自動調整があてにならないデバイスは山のようにあります。常に手動で明るさを調整すること自体は大した問題ではないでしょう。ところが、さらに事態を悪化させるバグがもうひとつ加わります。本機でスリープから復帰するために電源ボタンを押すと何故か明るさ最大で画面がつくのです。そのため、画面を入れるたびにその都度明るさを再調整しないといけなくなり、かなり鬱陶しいです。間違いなく使い勝手に響いている部分であり、早急な修正を望むばかりです。

 そんな感じで、決して完璧とは言えない部分も多い本機のディスプレイですが、致命的な欠点はなく総じて素敵なディスプレイだと思います。加えて色再現性については、Windowsならではの利点としてカラーマネジメントが効くという絶対的なアドバンテージを持ちます。特にプロファイルを作成してから対応ソフトで動画を再生したときの映像美は一種の感動すら覚えます。テキストコンテンツや写真だと精細度がものをいう場面も多いですが、正確な色が重視される動画再生においては間違いなくサブ10インチクラスで随一の品質だと言えるでしょう。
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