前回述べたようにデザイン面では非常に秀逸なTOUCH MOUSEですが、いざ使ってみるとこれが意外と曲者で思い通りに動いてくれない困った子だったりします。まだ使い始めて日が浅く、慣れてくると評価が変わってくる可能性もありますが、たぶん人によっては一日で匙を投げる可能性もあるかなというのが正直な印象です。

1. ハードウェア
 形は見た目通りで完全な左右対称です。握り心地に関しては個人差が大きいので確かなことは言えませんが、比較的自由度の高い形だとは思います。サイズは決して大きくないので女性でも不自由なく持てるでしょう。ただ、ゲーマー向けモデルに比べると指をひっかけにくい形状なのが気になりました。デザインを優先したのでしょう。
 本体は上部カバーと下部の土台の二つに分かれています。上部には目玉のタッチセンサーが組み込まれていて、パターンが刻まれている部分で反応してくれます。なお、本マウスは物理的には完全な1ボタンマウスです。左右の押し分けはなく、カバー全体を押し込んでクリックすることになります。ここがメインボタンだけを押し込む一般的なマウスとの大きな違いで、使用感にも関わってきます。分解はしていませんが、押した感じでは最近のMicrosoftによくあるクトスイッチが使われているように思われます。
 下部に目を移すと、センサーにはお馴染みのBlueTrack。スペックは1000dpi/8000fps。これは他のBlueTrackマウスと同じ値で、どうやらX8以外の製品には同じセンサーが使われているようです。とはいえ、決して性能が低いわけではなく、個人的に最も信頼の置けるセンサーのひとつです。極ハイセンシないし極ローセンシでない限りは快適に使えるでしょう。
 ソールはこれまた最近のMicrosoftでよく見る黒いやつです。残念ながら滑りはそこそこと言わざるを得ませんが、触ってみた感じ耐久性は高そうです。ちなみに、CM6000にも同じ材質のソールが使われていて、そのときはすぐ剥がした記憶がありますが、今回はしばらく様子を見るつもりです。
 その他では意外と重量が優秀で、電池無しでCM6000より少し重たいぐらい、おそらく100g程度です。そこに単三電池を二本いれるわけですが、実は一本で動いてしまうので実質120gぐらいのマウスです。かのX8が140g超、ロジクールのM950が160g超なので案外軽いことがわかります。また、無線でありながら反応が素早く遅延がほぼありません。注意してみると若干遅れているようないないような、少なくとも使っていて気になることはないでしょう。

2. ソフトウェア
 従来通りのIntelliPointでも動きますが、今回はWindows 8への対応が済んでいるMouse and Keyboard Centerをインストールして使っています。ただし、使用しているPCはWindows 7です。なお、発売時こそ本マウスはWin7専用という話でしたが、当然のことながらタッチに最適化されたWin8にも対応しています。Win8で使用した場合には各ジェスチャーの機能も変わってきて、たとえば三本指はズームになっていたりしますが、そのうちWin8機を用意したらまた改めてレビューしようと思います。
 とりあえず、Win7上では利き手の指定や、ジェスチャーの練習、また各ジェスチャーの有効/無効を設定できます。左右のメインボタンに別の機能を割り当てることもできますが、そもそもボタンが二つしかないマウスでそれをやる必要があるのかは甚だ疑問です。また、各ジェスチャーの機能は完全に固定されていて、変更することはできません。更にいうと、個人的にもかなり意外なのですが、タップは使えません。ボタンがあるからクリックしろということなのでしょうが、おかげで中クリック(いわゆるホイールクリック)ができないのは地味に痛いです。左右どちらかのメインボタンに割り当てることは可能ですが・・。
 総じてとにかくカスタマイズ性の低さは気になってしまいます。あるいはせめてタップができたらかなり使い勝手が上がったと思うのですが、タッチパッドという汎用性の高いデバイスを備えた割には自由度は低いと言わざるを得ません。

3. ジェスチャー
 ジェスチャーの認識率は良好だと思います。マウスの持ち方によってはやりにくい動きもありますが、ちゃんと指を動かせばきっちり反応してくれます。唯一、一本指スクロールだけは初動までが遅いので慣れないうちは苦労しますが、感覚をつかめばそつなく意図的に入力できます。誤爆に関しては一本指のスクロールと進む/戻るがもっぱら懸念されますが、前者は時々、後者はごく稀にといった感じで使用に耐えないといったことはありません。ただし、慣性のつくスクロールで欲しい分だけぴったり転がすのは至難の業です。
 割り当てられている機能にはスクロールとエアロスナップ、そしてオリジナルのウィンドウ一覧画面とウィンドウ操作を助けるコマンドが揃っています。たくさんウィンドウを展開して作業する人にとっては便利に仕上がっていると言えるでしょう。
 と、一見すると便利そうなのですが、筆者は今のところ全ジェスチャーを切って使っています。スクロールに関してはむしろスクロールバーをドラッグした方が早いということで、そうしています。エアロスナップは機能的にはいいのですが、動作時にアニメーションが働いてぬるっと最大化したり元に戻ったりします。普段から各種アニメーションを切っている筆者としては、そのアニメーションで待たされるのが気に入らないので使うのを止めました。キーボードでWin+矢印キーを叩いた方が早いです。三本指のウィンドウ一覧に関しても同じ理由で、Alt+Tabの方がやはり早いです。マウスで全部完結させたい人にはいいのかもしれませんが、サクサク動かしたい人にしてみるとせっかくのアニメーションが邪魔となってしまいます。

4. クリック/右クリック
 先ほど述べたように、本マウスは物理的には1ボタンです。ではどうやって左右クリックを使い分けるのかというと、中央の溝より左側に指をおいた状態で叩くと左クリック、右側に指をおいて叩くと右クリックになります。ちなみに、両方に指が乗っていたり、全くタッチセンサー部に指がかかっていない状態で叩くと左クリックになります。逆に言うと、右クリックをするためには左側の指をもちあげてやらないといけません。人によってはこれがおそらく最大の敵で、左ボタンに指をおいたまま右クリックするような人は本マウスは避けた方が無難だと思います。
 左右の判定そのものは正確で、正しく触っていれば意図したたのと違う方が入力されるということはありません。判定領域も厳密で、溝を境にきっちりと分かれています。ちなみに、一本の指で両方にかかっている場合は右が優先されるので、溝のちょうど上で叩くと右クリックになります。このあたりの使い勝手はよく考えられています。ただし、構造上どうしても左右同時クリックはできません。

 まとめると、かなり人を選ぶマウスだということです。タッチパッドを駆使してスタイリッシュに、といきたいところですが実際にそれをやるとむしろ作業効率が落ちるというジレンマを抱えています。PCに慣れ親しんだヘビーユーザーよりも、ゆったりと操作する初心者にこそ向いているのでしょう。ただ、逆に初心者にとっては中クリックがないことがネックになる気がするので、個人的には勧めないと思います。ではどんなユーザーに適しているのかと言えば、間違いなく新しいものが好きな人ということになります。仮に合わなかったとしても、このTOUCH MOUSEなら置物としてその役目を全うしてくれるでしょう。
Tags: マウス touch_mouse
 最近めっきりPCでゲームをしなくなったので、完全にCM6000I-2を持て余しているわけですが、それならばと久々に一般用のマウスを買ってみました。まあ、一般用といっても完全に色物の部類に入るであろうMicrosoftのTOUCH MOUSEですが。また、折角アメリカに来ているということで日本であまり出回っていない白モデルを選んでみました。Amazonで$35と、相変わらず驚きの安さです。

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 パッケージはびっくりするぐらい立派な包装となっています。よくよく考えてみるとSidewinderが生産終了となった今、Microsoftで最も高価なマウスなので気合いが入っているのも当然と言えます。とはいっても無駄に大きなパッケージではなく、程よいサイズがうまく高級感を演出しています。
 また、本製品はアーティストモデルであり、それを示すサインが印刷されています。筆者の記憶が確かであればニューヨークで活躍アーティストさんだとか。Microsoftでコラボモデルというと、もう少し下の価格帯で煌びやかな印象が強いですが、ハイエンド機に取り入れてくるあたり本モデルへのこだわりが見て取れます。白地に線で模様を刻むだけというシンプルかつスタイリッシュな出で立ちは、黒でドットな通常版とまさに対になるデザインに仕上がっています。
 ちなみに箱カバーの先端には磁石が仕込まれていて、同じく磁石のついた本体側にぴたりと吸い付きます。ギミックそのものは別段目新しくもないのですが、まさかPCの周辺機器に使われるようになるとは思いませんでした。というか、この先も殆ど無いでしょう。

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 そしていよいよ本体とご対面。上部カバー表面は艶消し加工されていて、非常に上品に見えます。土台側の白いパーツは逆にツルツルしていて、デザイン上のアクセントとなっています。CM6000とは比べ物にならないくらい高級感があり、これだけで買った甲斐があるというものです。
 裏面はグレーの成型色となっています。製品情報を示すステッカー等が一切なく、BlueTrackのロゴとデザイナーのサインが印刷されているのみです。なお、細長いくぼみは無線のレシーバーを収納するためのスペースです。

 以上、外見を見てきたわけですが、正直予想以上にお洒落なものが届いてびっくりしました。R.A.T.Level 10 Mなど特徴的なデザインを持つマウスはいくつかありますが、本マウスの上品な佇まいは他を圧倒するものがあります。まあ、裏返すと一気に安っぽく感じられるのは玉にきずですが。

 次回は実用性の評価です。見た目通り洗練された使い心地・・であればよかったのですが、残念ながら一癖も二癖もある気難しい子だったりします。
Tags: マウス touch_mouse
2012.09.10 12:53 (GMT+9)
Category:PC
 筆者がアメリカに来てそろそろ一ヶ月が経とうとしています。すっかりこちらのでの生活にも慣れて、リズムというものも生まれてきました。さて、今回は筆者の留学先であるKSU(カンザス州立大学)におけるPC事情について紹介したいと思います。こちらに来る前にも漠然と日本とはPCの利用スタイルが違うんだろうなとは考えていたものですが、本当に全然違いました。当然のことながら、アメリカで好まれる機種の傾向も日本とは違うわけで、発売されているラインナップの違いを比べるのも結構楽しいです。

 まず、アメリカでも大学生にとってPCは欠かせないものです。おそらくPCの浸透率は日本以上ではないでしょうか。シラバスや時間割といった重要な情報も基本的には全て大学のサーバーにアップされていてPCがないと閲覧すらままなりません。また、課題の一部はPCで作成してやはりアップロードして提出する形となっています。図書館などにもPCは用意されていますが、おそらく自分のマシンを持っていない学生は皆無で、図書館に行くと多くの人が自分のラップトップを広げて作業している風景が見られます。

 そして、利用スタイルで日本と大きく違うのは外での利用頻度でしょう。アメリカの大学生の多くは寮暮らしか、あるいはキャンパス近くのアパートを借りて住んでいますが、部屋で使うのと同じぐらいラップトップを外に持ち出して使います。教室、図書館、喫茶店、あるいは寮の中でもさくっと持ち歩いています。これに関しては、図書館などが近くにあって持ち出すのが苦にならないのと、外であっても電源がとりやすいという二つの要因が大きいように思います。特に後者は偉大で、日本とは比べものにならないくらい外での電源確保がしやすいです。最悪建物の廊下で充電することも可能です。

 そのおかげで、こちらの大学生にとってラップトップの駆動時間はさして問題ではないようです。事実、3時間ぐらいしか保たなそうな15インチ級のマシンを部屋の外でよく見かけます。駆動時間よりもユーザビリティが優先されるのでしょう。また、体格が違うからなのか、はたまた通学が楽だからなのか、サイズに関しても日本人とは大きく意識が違います。基本的に見かけるのは14インチ以上のマシンです。13インチ台になると殆どMacしかありません。12インチ以下に至ってはまだ遭遇していません。

 考えるに、MBP/MBAやIntelの打ち出したUltrabookという路線は完全にアメリカ仕様なのでしょう。個人的な意見になりますが、外での充電が望めない日本において駆動時間というのは非常に大事な要素だと思います。いくら薄くて軽くてスタイリッシュでもバッテリーが5時間程度では全く話になりません。しかし、アメリカで使うことを考えるとそれらのマシンが途端に魅力的に見えてきます。

 そんなわけで、Ultrabookが欲しいなと思う今日この頃です。いくら移動が短いと言っても、母艦として持ってきた15.6インチマシンを毎日持ち運ぶのはさすがに骨が折れます。そして、それ以外ではTF101しか手元にありません。当初、PCは部屋で使えればいいだろうと思っていたのですが、ルームメイトがいると夜遅くまで作業できないということを完全に失念していました。また、大学のマシンでは日本語が打てないので非常に使い勝手が悪いです。しかし買ったら買ったで日本に戻ったときに置物と化すのが目に見えているので難しいところ。先のことを考えるとEnvy x2あたりを待つのが正解ではあるのですが・・。
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