2013.01.19 11:58 (GMT+9)
Category:PC
 Yoga 13が来て以降、日常的にWindows 7マシンとWindows 8マシンとの併用が続いていたので、新旧OSを直接比較する機会が沢山ありました。その中でWin8に対する評価も徐々に出来上がってきてある程度その振る舞いも理解できたように思います。それらを踏まえて、筆者の結論としてはWin8は良いものだという判断に落ち着いています。休みを利用してもともとWin7が入っていたW150HNMにWin8を入れなおすくらいには新しいOSを気に入ったようです。

 Windows 8の話題になるとついつい大きく変わった見た目に注目しがちですが、内部的にはWin7の正当進化系となっています。少なくともデスクトップモードではWin7との違いをそこまで意識することはありません。ではどこに乗り換えるだけの価値があるかというと、これはOS全体のレンダリング性能の向上にあります。特にテキストや画像といった2D要素の描画速度が明らかに早くなり、それが全体のサクサク感に繋がっています。感覚的には、これまでディスクリートGPUによって得られていたレスポンスが、Win8なら内臓GPUでも遜色ないものになります。
 ちなみに、その取り組みについてはお馴染みMSNDブログで取り上げられています

 そうして考えてみると、Vistaから引き継がれてきたAero/DWMはWin8で一つの完成を迎えたように思います。

 Vistaで初めて導入されたDWMはGPUを活用することで従来のCPUレンダリングよりも美しく、高速な動作を可能にしましたが、当時の貧弱な内臓GPU環境下ではむしろ速度低下を招くものでした。また、初期のDWMはVRAMに際限なくキャッシュを溜めこむものだったので、長時間使用しているとメモリ不足でVGAドライバがクラッシュするという困ったものでした。
 その後Win7になり、VGAドライバがクラッシュする問題は解消され、また内蔵GPUの性能が全体的に向上したこともあって日常的に不満を感じることは無くなりました。ただ一方で、レスポンスという点ではVistaと大して違わなかったのもまた事実です。
 Win8では、全般的にチューニングが進んだようで、安定性はもちろんのことレスポンス面でも確実に進歩した印象です。近年のIntel HD Graphicsの進化が著しいということもありますが、Ultrabookで自作機と大差ない速度が得られるのを見ると、PCも変わったなぁとつくづく思います。筆者はまだまだ自作PCを使っていくつもりですが、デスクトップが売れなくなるのも良くわかります。

 ともあれ、Windows 8はもうすぐキャンペーン期間が終わり二月から値上がりする予定です。今Win7で不満が無いユーザーでも、更なる快適を求めて今のうちにアップデートしてみるのも一つの手かもしれませんね。
Tags: windows8
 Windows 8の発売を2日後に控え、PC業界も段々とざわついてきました。新OS、こと新Windowsの発売前には常にそれらしい"空気"というものがありましたが、今回は久しぶりにインターフェイスが刷新されるということで、特に注目度が高いように思えます。筆者も例に漏れず新OSの発売を非常に楽しみにしています。
 言うまでもなく、関心を集めているのはタッチ操作に最適化されたModernUIです。Windowsにとって、そしてPC全体にとっても新しい試みだからです。そして、いつもならRMTがリリースされた時点でそのOSに対する評価は殆ど決まっているものですが、今回ばかりは各方面とも慎重な意見が多いように思います。かつてVistaを「重い」の一言で片づけた人たちも、ModernUIの評価は難しいようです。
 ちなみに、筆者にとっては、近年のWindowsで発売日前にRMTを試さなかったのは今回が初めてだったりします。なので現時点では印象もなにも無いのですが、予想としてはModernUIになってもそこはWindows、デスクトップモードがある以上さして実用性は変わらないんじゃないかと思っています。Yogaが届いたらいろいろ試すことが多そうです。

 さて、本来であれば触ったことのないOSについてあれこれ言っても仕方がないのですが、今回はメディアではあまり大きく扱われない新機能の一つ、記憶域プールについて触れたいと思います。前述の通りUIの変更にばかり注目が集まるWindows 8ですが、実はいろいろと中身が進化していて、中でも一部ユーザーには非常に”刺さる”であろう新機能が記憶域プールです。個人的には、これだけでWindows 8の購入が約束されていると言っても過言ではないくらいの目玉機能でもあります。
 なお、なかなかにマニアックな機能なので今回は詳細な説明はしていません。いずれまた詳しく説明する機会を設けたいとは思いますが、今回は概要だけをざっくりとなぞっています。

 中身に移る前に単語の話から始めたいと思います。この機能、英語では「Storage Space」という表現が用いられていますが、「記憶域プール」や「記憶域」と訳されているようです。Microsoftはブログで後者を使っているのですが、強調無しで文章に紛れ込んだときにわかりづらいため、誰かが前者を考え出したのでしょう。個人的にはそのまま「ストレージスペース」がベストだと思うのですが、芸がないということでしょうか。とりあえず、本稿では記憶域プールという表現を用いていきます。
 その内容ですが、ざっくり言うと仮想化ストレージです。今までもいくつかWindowsで使える仮想化ストレージソリューションはありましたが、記憶域プールはそれらとは一線を画す、非常にリッチな機能に仕上がっています。具体的には、代表的な仮想化ストレージであるZFSに近い使い勝手となります。
 仕組みとしては、物理ディスクで構築されたストレージプール上にスペースと呼ばれる論理ディスクを作成して運用します。これだけ聞くとZFSと同じですが、もちろん違いもあります。

1. Windows 8で使える
 当たり前とはいえ、最大の特徴は何と言ってもこれでしょう。ZFSはMacOSや一部Linuxでもサポートされていますが、その殆どはSolarisで運用されているかと思います。個人的にSolarisは大好きで、とても優秀なOSだとは思うのですが、ハードウェアサポートはかなり限定的と言わざるを得ません。優秀なZFS、しかしそれを動かすためのハードウェアを揃えるのはひと手間かかるものです。
 しかし、Windows 8ならそんな心配はいりません。豊富なハードウェア資源が既にあり、今後も増え続けていくでしょう。NICのドライバ探しに苦労することは無いのです。また、Windows ServerだけではなくWindows 8にも搭載されている点は大きく評価したいところです。これにより多くの人が安く、手軽に試せるものとなりました。

2. 冗長化へのアプローチ
 大容量ストレージを扱う上で最も大切なことは冗長化ですが、もちろん記憶域プールでも可能です。ただし、設計がZFSとは大きく異なります。
 ZFSではストレージプールを冗長化するアプローチがとられています。物理ディスクをプールに追加する際にミラーリングやストライピングを設定して組み込みます。これによってRAID-ZとRAID-Z2という魅力的なオプションが使用可能となりますが、プールを拡張する際には同じ冗長度のディスク群を追加する必要があります。例えばRAID-Z2で構築されているプールにRAID-Zでディスクを追加してしまうと、全体の信頼性はRAID-Z相当に落ちてしまいます。同じ信頼性を保つにはRAID-Z2か3-wayミラーが要求されるので最低でも3台同時に物理ディスクを足す必要が出てきます。
 これに対して、記憶域プールではスペースを冗長化しています。スペース毎に2-wayミラー、3-wayミラー、パリティ、あるいは冗長化無しを選択できます。これによって、同じプールから信頼性の異なるスペースを切りだせるわけです。RAID-Z2の様な2台パリティの構成は選べませんが、代わりに拡張は手軽にできます。スペースがどのオプションを使っていようとも、プールの空き容量が少なくなってきたらディスクを足せばあとはシステムが自動的にうまく使ってくれます。おそらくRAID-Zに比べるとこちらのパリティの容量効率は低いと思いますが、個人利用での小規模なシステムでは手軽な拡張性の方がより魅力的です。

3. リムーバブルドライブはNG
 この記憶域プール、仮想化ストレージらしく物理ディスクの接続方式を殆ど問わない仕様になっていますが、リムーバブルドライブだけは使用できません。つまりUSBメモリはダメということです。ZFSではUSBメモリも使えるので複数本刺して遊べるのですが、記憶域プールでは不可能です。
 大容量ストレージという観点から見れば、USBメモリを使えないことは別段大きな問題にはならないと思います。ただ、手軽さはやはり失われてしまいます。ハブに32GBのUSBメモリを6本差して簡易冗長化ストレージにする、なんていかにも楽しそうですが残念ながらできません。

4. キャッシュドライブは使えない
 ZFSではプールにキャッシュドライブを割り当てることができます。特に大規模なRAID-Zになるとパリティ生成によるパフォーマンスの低下が深刻となりますが、キャッシュとして高速なSSDを用いるなどしてこれを改善することが可能です。しかし、記憶域プールではこれはできません。読み込みはともかく、書き込みはキャッシュありZFSと比べると不利になりそうです。将来的に拡張されることに期待です。

5. ブート不可
 残念ながらOSも含めての冗長化はできません。ただ、ZFSも初めブート不可だったのが後に可能となったので、こちらも今後の拡張に期待です。

6. ブロックレベルチェックサムは無い?
 ZFSの信頼性を確かなものとしている機能の一つがブロックレベルでのエラー訂正です。ざっとネット上の記事を読んだ限りでは記憶域プールにこの機能はありません。なので記憶域プール単体での信頼性はZFSに劣るかと思われます。ただし、Windowsでは次のReFSが控えているので将来的には遜色ない信頼性が得られるでしょう。

 以上、気になるポイントだけ並べてみました。まだ新しい技術なのでいくつか不便な点もありますが、総じて使い勝手は良さそうだなというのが印象です。同時に、今後の拡張が楽しみでもあります。
 これまではストレージというとZFSが群を抜いて使いやすく、他に安価な選択肢がない状況でしたが、Windows 8の登場によって誰でも手軽に高可用性ストレージが運用できるようになるのかと思うと、感慨深いものがありますね。
Tags: windows8 記憶域プール
 iPhone 5の発表日がほぼ決定し、それに先んじてNOKIAはLumia 820/920をお披露目したりとスマフォ市場が盛り上がっている今日この頃ですが、筆者の注目はあくまでもWindows 8です。WP8にも興味はあるものの既にLumia 710で満足してしまっている感があり、のんびり様子見という感じです。基本的に殆ど携帯で作業をしない人なので、更にスペックが上がったところでやりたいことが思い浮かびません。それぐらいWP7.5の完成度が高いということでもあるのですが、今後乗り換えていくとしたらそれこそPureView目当てになるのでしょうか。とりあえずはLumia 920の価格が楽しみです。

 さて、今回はWin8デバイスを取り巻くメモリの話をしたいと思います。IFAで登場した製品達をみて、そろそろしっかり利用シーンを想定する必要があるかなと考えているところですが、実用上最もネックとなるのがメモリという結論にたどり着きました。

 そもそも、筆者がWin8に期待を寄せている理由はつい最近までもっぱらARM対応のRTの存在でした。その理由は至極単純で、消費電力の低いARMデバイスを使えば軽くて駆動時間の長いマシンが出来上がるからです。実際にTegra2を載せたTF101でその駆動時間を身を持って体験しているということもあり、早くWindowsが来ないものかと心待ちにしていました。
 そんな中、次々と発表されていくWin8機を見て考えを改めさせられました。筆者がすっかり忘れていたAtomの存在です。Atomと言えばIntelの省電力プロセッサで、かつてはネットブックブームのきっかけにもなったプロセッサ群ですが、しばらく息を潜めていたのでてっきりもう後継は出ないものだと思っていました。ところが、蓋を開けてみるとこれまで発表されたタブレットの多くがAtom搭載で、駆動時間も十分実用に足る値です。となると、選択肢としてはむしろこちらの方が魅力的で、なによりRTでは動かない既存のx86アプリケーションが使用できます。  というわけで、今筆者の中ではドッキングキーボードつきのAtomタブレットへの期待が非常に大きいです。ちなみにAtomの効き目はかなり大きく、SamsungのATIVシリーズではCore i5モデルが公称8時間駆動に対し、ほぼ同サイズのAtomモデルでは13.5時間まで延びます。

 そうして話はメモリに戻ってくるわけですが、Atomの弱点は今も昔もメモリ容量です。Win8タブレットを見回してみると一部Core i5モデルは別として搭載メモリはそろって2GBとなっています。もっとも、ARMモデルも今回はそろって2GBだったりしますが。
 純粋にタブレットとして見るのであれば2GBという値は決して悪くはありません。Appleの現行iPadも、ASUSのTF700もメモリは共に1GBです。各OSでメモリの消費量が多少異なるとはいえ、Win8タブレットの優位性は明らかです。ただし、これはあくまでもタブレットとして見たときの話です。
 筆者を含め多くのユーザーはタブレットとしてではなくx86のラップトップとして運用したいと考えるでしょう。そうなると2GBは途端に心許なく感じられます。特に、x86だとウィルス対策も欠かせないので必然的にARM以上にメモリ消費が多くなります。VRAMに取られる分も考えないといけません。自由に使えるのはせいぜい1GB程度ではないでしょうか。ともすればブラウザだけで持って行かれる量です。意識的にメモリを節約することが大切になってきます。

 もっとも、これは贅沢な悩みなのかもしれません。普通にスワップさせながら使えば2GBでもきっと問題は無いのでしょう。ただ、そうするとレスポンスが下がるため大量にメモリを消費するチューニングに走るわけです。まあ、1万円以下で16GB買える時代にメモリの節約を考える日が来るとは思いませんでしたが、デバイスの制約とうまくつきあうのもある種の醍醐味ではあります。カスタマイズを重ねて大量生産品を専用機にしてこそのPCですし、なにより勝手知ったるWindowsですから。
Tags: windows8 arm