2015.05.04 15:30 (GMT+9)
Category:オーディオ

float解除用
 普段は意識しないで使っていても、いざ壊れると困るものは少なくありませんが、筆者は最近ヘッドセットが壊れました。もともと使っていたのはSonyのDR-GA200というもう廃番になっている製品で、イヤーパッドがボロボロになってしまいました。電気的には問題ないので、頑張れば補修できそうな気もするのですが、とはいえ手元にヘッドセットが無いと不便ということで新たに購入したのがLogicoolのG230です。

 そもそもなぜヘッドセットが必要かというと、筆者の場合はもっぱらSkype専用です。そのため基本的には相手の声が聞こえて自分の声が届けば問題ありません。そういう意味ではわざわざゲーミングヘッドセットを選ぶ必要性は低いのですが、時々長時間にわたって通話することがあり、付け心地を重視してヘッドセットを選んできました。

1. 付け心地
 その気になる付け心地はなかなかに良好だと感じました。イヤーパッドに厚みがあり、耳がドライバーにあたることがありません。以前カップが浅いものを買ってしまったことがあり、そのときは装着して30分もしないうちに耳が痛くなる体験をしたものですが、G230ではそういうことはなく快適に使えます。密閉型なのでオープンエアに比べるとムレに対しては不利ですが、特別気になるということはありません。
 重量も大きさの割には軽い方だと思います。まだ数時間使用しただけですが、はっきりと頭頂部が痛くなることもありません。ゲーミング用と謳っているだけあって、元々長時間利用を想定して設計されているはずなので今後期待に応えてくれると信じています。

2. 音質
 あまり特筆すべきこともないのですが、ゲーミング用らしく低音が強めに出ます。解像度はまあまあ。値段を考えると総じて優秀だと思います。Razer Surroundと併用すれば本来の用途であるゲームにおいても活躍してくれるはずです。
 まだのんびりエージングさせているところですが、上流がしっかりしていれば意外と音楽用にもいける気がしています。筆者はDragonFlyからの直結で使っていますが、普段YouTubeでBGMを流す層であれば自信を持ってお勧めできるクオリティが出ています。ロスレスでWASAPIで云々というガチな人たちにはそもそもジャンル違いの製品ですが、四六時中高品質音源だけを再生するわけでは無いでしょうから、ウェブラジオなどの圧縮音源を聞くおもちゃとして買ってみてもいいかもしれません。
 なお、テクニカルな話をすると、本製品は40mmドライバーを採用しています。感度は90dB/mWと少し低め、インピーダンスは32ohm、帯域は20-20kHzとなっています。残念な点としては、ヘッドセットらしく音量調整ツマミが直結でついているため、素の状態よりもかなり音質は劣化していると思われます。

3. メンテナンス
 G230の最大の特徴はイヤーパッドを取り外して水洗いできることです。実際には殆どのヘッドホンのイヤーパッドは水洗いできるのですが、障害となるのは取り外すまでの手間です。その点G230であれば簡単に取り外し可能なので常に清潔に保ったまま使用できます。メーカーによるとイヤーパッドを覆う布の耐久性にもこだわっているらしいので、長持ちしてくれることに期待です。

まとめ
 実はG230に関して筆者が一番関心したのは外箱の大きさだったりします。通販で購入したのですが、値段からは考えにくい大きな箱が来てびっくりしました。もちろんエンクロージャーにしてもドライバーにしても高価な素材が使われているわけではないのでしょうが、その代り細部にわたって贅沢に仕上げられている点は非常に好印象です。
 事実、音質にしてもつくりにしてもコストパフォーマンスは非常に高い製品だと感じました。とりあえずヘッドセットが欲しいという人はもとより、手頃なヘッドホンが欲しいという人にもお勧めできると思います。
Tags: headphone

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 アメリカではThanksgiving終わりのブラックフライデーと明けたサイバーマンデーにセール品が大量放出されるという文化があり大きな賑わいを見せるのですが、筆者も地元民に倣ってAmazon.comで何点か買い物をしました。その中で一番高かった買い物がKlipschのImage X10です。購入価格は$85とかなりお手ごろ。円に換算したら手持ちのMDR-NC33よりも安かったりします。

 筆者の中でKlipschはスピーカーのイメージが強いですが、近年はヘッドホンにも力を入れているようで、Image X10はそんな同社のフラグシップイヤホンに当たる製品です。一番上らしく定価は$350と高額なのですが、(非セール時の)実売価格が$130なのでアメリカにおいては財布にやさしいフラグシップ機と言えます。

 本機の特徴はその構成にあり、バランスドアーマチュアドライバを一つだけ、アルミのハウジングに配したいわゆるシングルBAのイヤホンです。
 通常、BAドライバは音域が狭いのでマルチで用いられることが多いのですが、当然その分パーツ点数が多くなるので高価になります。なおかつ、BAドライバ自体がダイナミックドライバより高コストということもあり、BAというと高級機というイメージが強いのではないでしょうか。
 本機はフルレンジドライバを用いたシングル構成なので、理論上はマルチのものより安く完成するはずです。ただ、$350という定価を考えると予算的には十分マルチにもできたはずなので、あえてのシングルということなのでしょう。BAのイヤホンを作っているメーカーは数多くありますが、シングルBAをフラグシップに据えているところは珍しく、Klipschの戦略は興味深いところです。
 余談になりますが、日本ではやたらとBAイヤホンが高騰していて少し異常とも言える状況ですが、アメリカではiPod流行からの供給量増加を受けて常識的な値段に落ち着いてきています。例えばLogitechのUltimate Ears 700は2BAながら実売$100と簡単に手が届く価格です。

 さて、本機に話を戻しましょう。とりあえず箱から取り出してすぐに気が付くのは本体サイズのいと小さきことです。BAドライバが小型化しやすいということもありますが、それを差し引いても本当にコンパクトで、公式に世界最小最軽量を謳っているだけのことはあります。小さいということは装着の自由度が高いということを意味し、これは耳とのフィット具合が音を大きく左右するカナル型イヤホンにおいて大きなアドバンテージとなります。
 また、Klipschの特徴としてイヤーチップが楕円形となっています。とても単純なことですが、確かに円形のチップよりも納まりが良いです。ちなみに、チップはシングルフランジ3サイズ、ダブルフランジ2サイズの計5ペアが付属しています。耳に合うものを探して、正しく装着しましょう。
 一応カタログスペックを見てみると、出力は5Hz~19kHzと可聴域全部をカバーしているわけではありません。最高域が出ないとその分ドライバに負担がかかる気がしなくもないですが、実用上問題は無いでしょう。インピーダンスは50ohmと高めですが、能率は110dB/mWなので音量不足で困る場面はまず無いかと思います。

 なお、最初に送られてきたX10は左の音が歪む持病を持っていたので、手元にあるのは二台目となっています。初期不良はある程度仕方がないとは言え、丈夫という話を聞かないKlipschだけに少し心配になってしまいます。

 肝心の音質に話を移しましょう。残念ながらHPAの類は何一つ持ってこなかったので深刻な音源不足なのですが、イヤホンの場合には外でプレイヤーと直結することが多いと思うのでそのつもりで読んでくれると幸いです。試聴環境はYoga 13に直刺し、FLACソースをfoobar2000でWASAPI出力させています。能率の高いイヤホンなのでノイズフロアが気になるところですが、Yoga 13が意外と優秀で感知はできるものの気にならないレベルでした。
 再生を始めるとまず気が付くのはその解像度の高さです。シングル構成と相まって非常にクリアに音が聞こえてきます。周波数特性はほぼフラット、若干低音が強く高音が弱いような。ただ、長い間校正された音を聞いていないので気のせいかもしれません・・。まあ、素直な音と評して問題ないかと思います。
 と、文章にすると味気ない感じなのですが、正直その音質にはかなり驚かされています。なにせラップトップのアンプで再生しているのにこれといった不満がないのですから。強いて挙げれば、200Hzより下が僅かにボケてるとか、4kHzより上が少しザラつくとか、文句がないわけではありませんが再生環境を考えると十二分に優秀です。とりあえず、まともに鳴らせる機器が無く持て余しているK702よりもいい音が出ています。

 思うに、BAイヤホンの真価はその能率の良さから来る鳴らし易さにあるのではないでしょうか。ばっちりアンプがある状態ではおそらく高品位ヘッドホンに敵いませんが、ポータブルプレイヤーに直結させるならベストの選択肢となるはずです。
 ただ、その分ソースの粗も目立つようで圧縮音源を使うと途端に味気ない音になってしまいます。LAME(V0)でエンコードしてもFLACとの差がはっきりと感じられるので、それこそiTunesの内臓コーデックではかなり残念な感じになる気がします。かといって、ストレージ容量を考えると無圧縮ないし可逆圧縮を使える人はかなり限られてくるかと思うので、そこはイコライザで調整するなりポタアンでブーストできるとなお良しでしょうか。Appleな人たちには是非160GBのClassicにALACを詰め込んで運用して欲しいところです。

 総評は、環境を選ばず素直な音を出す優等生、とまとめたいと思います。以前、けいおん効果でK701が飛ぶように売れたときは一体どれぐらいのユーザーが再生環境を整えているのか気になったものですが、Image X10であればその心配は必要ありません。また、このクオリティで$130という実売価格も大きなポイントで、たぶん試聴していたらセールじゃなくても普通に買っていました。フラグシップモデルは決して伊達では無く、他社の(定価)$500級のイヤホンたちと十分に渡り合える製品です。
Tags: klipsch headphone