測色計の話が続きましたが、ハードだけあっても始まりません。性能を生かすソフトが必要です。測色計のラインナップを見ればわかる通り、多くの製品は同じセンサーを使いながらも付属ソフトで差別化をする傾向があります。これは勿論ビジネスとして意味を持つからだと思われますが、ユーザーにしてみれば高価な製品を買ってもセンサーの精度が下位製品と同じというのは面白くない話です。この問題を解決してくれるのがフリーのキャリブレーションソフトウェアです。
 ArgyllCMSはオープンソースのカラーマネジメントシステムで、モニタをはじめ、プリンター、カメラ、スキャナーまでも校正できる高性能ソフトウェアです。多くの測色計に対応しているのも大きな特徴で、定番のSpyderやi1だけでなくhuey等もサポートされています。バージョン1.3.7で最新のSpyder4にも対応しました。
 かなり完成度の高いソフトウェアなので、サイトをじっくり読めば使い方もわかるかと思います。ただ、シェルで操作するのでPCに慣れていないととっつきづらいかもしれません。

 これを補うのがdispcalGUIです。ディスプレイキャリブレーション専用ですが、ArgyllCMSをGUIで利用できるようになる優れもの。これで簡単にキャリブレーションできます。入手等は以下のURLからどうぞ。
 こちらはインストーラー形式で配布されています。Windowsの場合、dispcalGUI自体は32bitアプリケーションですが、ArgyllCMSに各測色計の64bitドライバが付属していますので64bitOSでも問題なく使用できます。ただし、ドライバには署名がないので拡張起動オプションで"ドライバ署名の強制を無効にする"状態で立ち上げる必要があります。なお、オープンソースらしくLinuxとMac OS Xでも使用可能です。
 ひとつ注意としては、執筆時点での最新版である0.9.6.6ではまだSpyder4に対応していません。ArgyllCMSが対応しているので遠からずdispcalGUIでも対応になるとは思いますが、現時点ではまだ未対応なので気を付けてください。

 さて、ArgyllCMSは解凍するだけ、dispcalGUIはインストール方式なので導入は簡単です。ただ、引っかかりやすい個所があるとすればドライバの導入でしょうか。ArgyllCMSの利用には専用のドライバが必要になります。専用ドライバはArgyllCMSのlibusb1フォルダに入っているので別途入手する必要はありません。
 ただし、ドライバのインストールは手動で行います。Windows7であれば測色計をPCにつなげる前にデバイスマネージャーからレガシハードウェアの追加でインストールといった具合です。何を言っているのかわからない、という方はドライバの手動インストールについて調べてください。
 また、当たり前ですが同一ハードに対して複数のドライバを割り当てることはできません。もし測色計の付属ソフトを既にインストールしていた場合にはメーカー製ドライバを削除する必要があります。こちらもやり方がわからなければ調べてください。

 さすがに純正ソフトのようにインストールして終了というわけにはいかないので、PCに不慣れな方には少しとっつきづらいかもしれません。それでも、導入の手間に見合うだけの優秀なソフトであることは疑いありません。SpyderシリーズのEXPRESSや全自動ツールのhuey、低価格を売りにしたColorMunkiシリーズなどに付属するソフトは特に簡素で非常に使い勝手が悪いわけですが、dispcalGUIを導入することでこれらの測色計が高性能システムに様変わりします。また、オープンソースながら純正ソフトに劣らないどころか勝る程の信頼性があるので別に純正ソフトで困ってないよ、という環境でも積極的に導入して欲しいところです。
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