2012.03.30 13:34 (GMT+9)
Category:PC
 モニタキャリブレーションの目的は表示を改善して生産性を上げることにあります。正しく校正されたモニタは野良に比べて圧倒的に見やすいでしょう。そして、ちゃんと調整できるようになると今度はモニタの性能限界が気になってきます。
 そうして新しいモニタが欲しくなった時に、知っていると便利かもしれないことをまとめてみたいと思います。

信じてはいけないレビューサイト
 今さら言うまでもないことかもしれませんが、レビューサイトに書いてあることはあてになりません。製品を買ってから読むとまともなことを書いている人も結構いるなとは思いますが、買う前だと混乱するだけです。確実なのはカタログスペックです。

輝度/コントラスト
 輝度は標準なのか最大なのか気を付けましょう。もっとも、よほど遠くから見る用途でない限り、暗すぎて困るということはないでしょう。プロユースの場合は逆にどこまで暗くできるか問題になる場合がありますが、普通は気にしません。
 コントラストで黒輝度を計算します。その黒輝度ですが、0.5以下であれば普通、0.3以下なら優秀です。ただ、白輝度との兼ね合いで実測値が変わる上に、コントラストの数字が結構適当なので参考程度に考えるのが無難でしょう。黒にこだわる場合はVAパネルを選んでください。

応答速度
 数値が白黒(WtB)なのか中間色(GtG)なのか気を付けましょう。白黒はオーバードライブでいくらでも早くできますが、中間色はパネルの素の性能が大事になります。ただ、経験上応答速度も意外と数字が当てになりません。店頭で見ることをお勧めします。なお、こだわりたい場合は120Hz駆動のTNパネルを選んでください。

視野角
 パネル方式がかなり支配的です。IPS>VA>TNの図式は常に成立すると考えましょう。実用上気になるのは視野角よりも斜めから見た時の色変化の方で、数字は大差ないのにIPSの方が圧倒的にTNより見やすいというのはここから来ています。IPSパネルなら気にしなくても構いませんが、VAやTN採用の製品は店頭で確かめておくのが無難です。
 なお、一般的な見やすさを最も左右するのが視野角です。特別なこだわりがないのであればIPSパネルをお勧めします。

色域
 カタログスペックに乗ることは少ないですが、確認は簡単です。メーカーサイトからプロファイルを入手して下さい。ある程度参考にはなります。

バックライト
 CCFLかLEDか、世間的にはどうやらLEDの方が優秀という認識が広まっているようですが、それぞれに得手不得手があります。
 どんどん採用が減るCCFLですが、その気になれば圧倒的にLEDより明るくできます。また、白色LEDよりも色域が広いです。その一方で、温度が安定するまでは出力も安定しないのでモニタの電源を付けて10分ぐらい待たないと本来の表示になりません。当然発熱や消費電力も大きいです。
 対して、白色LEDは低発熱低消費電力が大きな特徴です。弱点の明るさもモニタとして使う分には問題になりません。色域は製品にもよりますが、sRGBであれば完全にカバーするものも出てきました。また、立ち上がりが非常に早く、1分もしないうちに本来の表示となります。
 全体としてはやはり白色LEDの方が便利でしょうか。sRGBで使えば色域も問題になりません。

表面仕上げ
 最終的な見た目です。光沢にするのか非光沢にするのか、ギラギラ具合やツブツブ具合はどうなのか、輝度ムラが気になるかどうか、どれも実物を見ないと判断できない部分です。また、人によって大きく好みが分かれる部分でもあります。店頭で見ることをお勧めします。

品質
 買ってみるまでわからない、けれども非常に大切なのが品質です。例えば、以前筆者が買ったLGのモニタはそれはもう低品質でした。
 多くの製品はRGBゲインを個別に設定して白色点を調整できる機能を持っているかと思いますが、安価な製品では注意してください。筆者のそのモニタは100段階調整でデフォルトが100でした。測色計で見たら青が一番弱かったのでまずは赤を下げてみたら、下げても下げても白色点が変わらない。何事かというと発色が振り切れていて値を下げても輝度が下がるだけで肝心の"赤さ"が変わらないのです。
 最終的にどうなったかというと、R:23 G:26: B:18 で白色点6500Kになりました。青が一番弱かったわけですが、18から上は振り切れていることがわかりました。それでも白色点が合ったからめでたしとなればいいのですが、これだけでは終わりません。
 ゲインを下げたことのとばっちりは輝度が受けることになります。デフォルトの1/4まで絞れば当然画面はかなり暗くなります。モニタの明るさを最大にしても90cdにしかなりません。コントラストはというと、上げるとすぐ白飛びするので上げられません。
 というわけで、輝度300cdのモニタを買ってきたら実は最大90cdだったというお話でした。しばらくLGのモニタは買わないと思います。それはともかく、メーカーや価格を問わず品質の低い製品は確かに存在するものです。
Tags: モニタ
2012.03.23 02:05 (GMT+9)
Category:未分類
 久々に家電量販店に行ってきたので新型iPadを触ってきました。高精細度液晶は本当に綺麗で現行タブレットでは頭一つ飛びぬけているというのがよくわかります。ただ、264ppiはタブレットならではという印象ですね。

 少し考えてみましょう。印刷物の精細度としては一般的に350dpiが使われています。更に上げても体感上の綺麗さがあまり変わらないからです。ということで液晶ディスプレイもそれぐらい欲しい、といきそうなもののそう単純ではありません。
 筆者がメインで使っているディスプレイは、デスクトップが27インチ2560x1440(108ppi)、ノートが15.6インチ1920x1080(141ppi)なのですが、それぞれ十分細かいと感じています。まず、視聴距離が違うので体感上はどちらも同じぐらいの細かさです。そして、個人的には今の環境が細かさの限界だと感じています。Windows7環境でこれ以上UIが小さくなったら耐えられません。
 そんなわけで、筆者の中ではデスクトップで100ppi、ノートで130ppiというのがそれぞれ丁度いい精細度の基準となっています。これより小さいと無駄に文字が大きく情報不足で、より細かくても実用範囲は精々+10ppiぐらいでしょうか。実際、今の環境ではブラウザやテキストエディタ等ほとんどのソフトで標準よりも大きな表示にしています。ちなみに、普段意識しないので忘れがちですがWindowsは96dpiをベースにしてあるので、デスクトップ環境で100ppiが丁度いいと感じるのはなるほど自然なことです。

 ところで、その時々で精細度とは別に満たしてほしい解像度というのもがあります。代表的なものでは長らく基準とされていたXGA(1024x768)。これを最低解像度と捉えている開発者は多く、ソフトの必須動作条件となることも多いです。ネットブック登場時に多くのモデルが縦600しかなく互換性の問題が話題になったことは記憶に新しいですね。なお、来たるべきWindows8でもこのXGAが動作必要最低条件となっています。
 放送業界からやってきてすっかり主流となった16:9ファミリーの720p(1280x720)と1080p(1920x1080)も基準の一つです。おそらくWindows8が動かない720pディスプレイをPCで使うことはないと思いますが、フルHDディスプレイは今後長らく主役の座を譲らないでしょう。
 そして、Windows8とともに一躍有名になったのが1366x768という解像度です。なぜか一部でHDと呼ばれているようですが、個人的にはWXGAあるいはWXGA+の方がわかりやすい気がします。この解像度、Windows8でスナップビューを使うための必須解像度でWindows8の機能をフルに使える最低解像度となります。Windows8はタブレットもサポートするので将来的にはたとえ5インチでもこの解像度が求められます。まあ、仮に5インチだと300ppi以上の恐ろしい精細度になるわけですが。

 さて、キーボードのついたPCスタイルで使う分には140ppi以上は単なるオーバースペックです。200ppiを超えるような高精細度ディスプレイはより視聴距離の近いデバイスでなければ意味がありません。とはいえ、モバイルだけ高精細というのはさみしいものでデスクトップ環境でも同じぐらいの精細度が欲しくなるというもの。ただ、それが叶うのはもう少し先になりそうです。UIの大きさはWindows8でベクトルグラフィックスが普及すれば問題になりません。既存アプリとの互換性という課題は残っていますが、既にAero/DWMが実現しているので古いアプリだけスケーリングで動かすということも不可能ではないでしょう。
 先が見えないのはディスプレイの方です。机上で使うとなると大きくても30インチが限界かと思いますが、そのサイズで次のフォーマット(おそらく4K2K)を表示できるディスプレイが売り出されるのが果たしていつになるのか。そもそもコンテンツがない状況でメーカーが小型4K2Kパネルに乗り出すのか。まだまだ不安要素だらけです。
Tags: モニタ