準備導入と来たので最後に細々とした部分をカバーしたいと思います。

 まずは起動に関して。起動の度にエクスプローラでRAMディスクまで行って立ち上げるのは面倒なので、自分でショートカットを用意してあげましょう。この時、うっかりコピー元からショートカットを作らないように気を付けてください。あとはそれをデスクトップなり好きなところに置けば完了です。スタート画面にピン留めするのもいいかもしれません。ただ、タスクバーへのピン留めはポータブル版だとスペースを一つ余分に消費するのでお勧めしません。

 次に、アップデートに関してです。ポータブル版はいわば本家の亜種にあたるので、アップデータが提供されるのはどうしても本家から少し遅れます。ただ、すぐに最新版のブラウザを使いたいという場面はかなり稀だと思うのであまり気にする必要は無いかもしれません。なお、ポータブル版は通常版との共存が可能なので、常に最新環境が欲しい場合には両者を併用することでニーズを満たせます。

 むしろ、ポータブル版の利点は新旧バージョンを並行して運用できることにあると思っています。特に最近はブラウザのアップデートが頻繁に行われるのでプラグインの互換性問題が発生することも珍しくありません。新しいものを試す一方で、移行に支障があるうちは古いものを使い続けることが可能です。これは、一度アップデートしたら元に戻すのが面倒な通常版に対しての大きなアドバンテージと言えるでしょう。
 同様に、バックアップも容易なので新しいプラグインをとりあえず試してみて、気に入らなかったら丸ごと消去すれば既存環境を汚されることがありません。

 あとは、ポータブル版本来の使い方としてUSBメモリなどに入れて持ち運ぶことができます。現状まだ少ないかとは思いますが、ウェブアプリで全部事足りるという人は、出先にPCがあるとわかっていればUSBメモリだけ持って行って作業することも可能です。ついでにUSBメモリをBitLockerで暗号化しておけば万が一紛失しても安心です。

 このように、ポータブル版はとにかくフットワークが軽いので柔軟な運用が可能となります。その一方で、例えばWin8だとリンクに対しての関連付けがそのままだとできないとか、レジストリを参照される状況に弱いという欠点を持っています。何事にも得手不得手はつきものですが、メリットをうまく活かして賢く使っていきたいところです。

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 準備を終えたところで、次はブラウザ本体の導入です。

 ポータブル版が存在するブラウザは色々ありますが、定番どころとして PortableApps.comからFirefox/Chrome/Operaのポータブル版を入手できます。お好きなものをダウンロードして下さい。筆者はFirefoxとChromeを併用していて、残念ながらOperaをしばらく触っていないのですが、基本的には同じ振る舞いをするものだと思います。
 パッケージを入手したら、展開して起動させます。ポータブル版といっても、通常版との違いを意識することなく使えるはずです。必要に応じてカスタマイズしてください。各種プラグインは通常版と全く同じ手順で導入することができます。この時、RAMディスク上で作業を進めるとサクサク感を楽しめるでしょう。一つアドバイスすると、せっかくポータブル版を使っているのだからブラウザ本体の自動アップデートは無効化して、環境を崩されないようにしておくのが便利だと思います。

 気になるキャッシュの保存先ですが、少なくともFirefoxとChromeのポータブル版はデフォルトでメモリ上にキャッシュして、ディスクにアクセスしない設定になっています。そのため、特にいじらずとも良好なレスポンスが得られます。

 最後に、カスタマイズが終わったらブラウザをフォルダごとどこかに保存しておきます。RAMディスク上では当然再起動したらいなくなるのでご注意を。筆者はバックアップも兼ねてDropboxに入れていて、そうしておくとOSを再インストールしてもすぐに慣れた環境を取り戻せるので重宝しています。
 仕上げに、起動時に保存場所からRAMディスクにコピーを行うバッチファイルを作成してスタートアップに放り込めば終了です。これで毎回自分でコピーをする必要が無くなります。

 あとは快適なネットサーフィンを楽しむだけです。ただ、RAMディスクから起動していると変更を加えても再起動すると消えてしまうので、お気に入りや履歴、パスワード情報が保存されません。かといって、終了の度にコピーをとっていたのではあまりにも効率が悪すぎます。
 そこで、各種同期サービスをうまく使ってください。FirefoxもChromeも標準で各種情報を同期する機能を持っているのでそれらが活用できます。また、ブラウザを跨いで使えるサービスとして、パスワード用のLastPass、ブックマーク用のDiigoなど、サードパーティー製プラグインも併用できます。これらのクラウド系サービスを活用することで、ブラウザ起動時に自動的に前回終了させた状態を再現することも可能となります。あとは時々コピー元から起動して同期させておくことさえ忘れなければ、通常版と何ら変わらない運用が可能となるはずです。
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 時代はHTML5だ、ウェブアプリだ、というのが昨今のトレンドですが、そのせいか日に日にホームページは重たくなっていく一方です。FacebookがiOS用アプリをHTML5からネイティブに書き換えたことはまだ記憶に新しく、実行速度においてウェブアプリがいかに不利かを浮き彫りにした形となりました。実装方法が何であれ、マルチプラットフォームということは効率が悪いということを意味し、HTMLベースのアプリは重たいということです。
 そんな重たいアプリたちと付き合っていくにあたって、今まで以上に大事になってくるのが窓口にあたるブラウザです。また、PC利用の大半をネットサーフィンが占めている人が多い現状、ブラウザを快適に使えるかどうかは非常に重要なテーマです。今回は、そんなブラウザに関する小ネタとしてポータブル版ブラウザの導入を紹介したいと思いますが、まずは準備編になります。

 最初に理屈の話からすると、ブラウザは小さなファイルを大量に扱うという特性があります。また、ホームページ自体が小さなファイルの集合体でもあります。そのため、ネットサーフィンを快適にするためには可能な限りブラウザのランダムアクセス性能を引き上げてやれば良いということになります。
 そして、PCの中でランダムアクセスに優れた記憶域というとこれはもうメモリ以外にはあり得ません。そこで、ブラウザ本体をRAMディスクに、キャッシュデータをメモリ上に展開しようというわけです。
 そんなわけで、前提条件として十分なメモリとRAMディスクの導入が必須となります。

 メモリに関しては増やしてくださいとしか言えません。不自由なく使いたいなら8GBは必須で、16GBあってもいいくらいです。4GBだとやや苦しいので気を使いながらの運用になるでしょうか。個人的には、4GBというと"快適な"Windowsの運用に支障をきたすレベルで、プラットフォームの限界が4GBの場合には買い替えをお勧めしたいところです。
 メモリさえあれば他の構成は何でもいいのですが、4GB以上のメモリを認識させるためにOSは64bitである必要があります。4GBぴったりだと、管理外領域をRAMディスクにまわせば32bit/64bitで大差はありませんが、少しでも容量を稼ぐためにやはり64bitの方が好ましいように思います。

 メモリが沢山あって、OSに認識されたところでとりあえずページングファイルを無効化しておきます。個人的には無効化しておくのが定番のカスタマイズだとずっと思っていたのですが、本稿を書いているときにやり方を紹介しているサイトを探していたら意外にも色々な意見の人がいるようでびっくりしてしまいました。
 ページングファイルというのは仮想メモリであり、物理メモリが足りなくなった時にディスク上にメモリの一部を書き込んで物理メモリを解放するためのものです。もちろん、メモリが足りている状況では全く役に立ちません。役に立たないだけならいいのですが、ディスクへの書き込みが生じるので、HDDの場合には断片化が発生し、SSDの場合には寿命をいたずらに縮めるという欠点を持っています。なので、素直に無効化しておくのがいいかと思います。確かに、メモリが足りなくなった時に困るという意見はもっともなのですが、その場合ページングファイルに頼るのではなくメモリを増やしたほうが遥かに効果的です。

 次にRAMディスクの導入です。64bit対応のものは数が限られていて、なかでも日本語で使えるBuffalo RAMDISKは手軽でユーザーも多そうですが、完成度がいまいちなので個人的にはDataram RAMDiskをお勧めしておきます。フリーだと4GBまでのボリュームしか作成できませんが、殆どの用途では事足りるかと思います。更なる容量が欲しい場合にはBuffaloを使うか、何ドルか出してDataramないしQSoftを購入するのがいいでしょう。筆者はVista時代からQSoftを愛用していますが、不具合もなくベンチも優秀なのでお勧めです。
 RAMディスクに割り当てる容量は使途に応じて適宜調整してください。筆者の場合、Yoga 13はメモリ8GBですが、RAMディスクを作業用フォルダとして多用するので2GB割り当てています。もしブラウザを置いておくだけ、というのであればファイルが収まる分だけとれば十分です。

 これで下準備は完了です。
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